作業環境測定委託サービス
作業環境測定とは
作業環境中に存在する有害な因子として、有機溶剤・鉛およびその化合物・特定化学物質等の有害な化学物質、じん肺の原因となる粉じん等の有害な物質のほか、電離放射線、電磁波、有害光線、騒音、振動、高温・低温、高湿度等の物理的因子等があり、これらは職場で働く人達の健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。
その有害な因子による労働者の健康障害を未然に防止するためには、適切な「作業環境管理」が必要となりますが、「作業環境管理」を進めるためには作業環境中にこれらの有害な因子がどの程度存在し、その作業環境で働く労働者がこれらの有害な因子にどの程度さらされているのかを把握しなければなりません。この把握をすることを「作業環境測定」といっています。
労働安全衛生法第2条では、「作業環境測定」とは「作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリングおよび分析(解析を含む)をいう」と定義されています。
作業環境測定の利用シーン
作業環境測定は、労働安全衛生法第65条に基づく「作業環境の状態を把握するための測定」です。法律で定められた「指定作業場」については、作業環境測定機関(作業環境測定士)による定期的な測定の実施が義務付けられています。
作業環境測定を行うべき作業場のうち、作業環境測定士による測定が義務付けられている指定作業場は下記表の通りです。
作業場の種類 (労働安全衛生法施行令第21条) |
関係規則 | 測定の種類 | 測定回数 |
---|---|---|---|
土石、岩石、鉱物、金属または炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場 | 粉じん則26条 | 空気中の濃度および粉じん中の遊離けい酸含有率 | 6月以内ごとに1回 |
放射線業務を行う作業場 ・放射性物質取扱作業室 ・事故由来廃棄物等取扱施設 |
電離則55条 | 空気中の放射性物質の濃度 | 1月以内ごとに1回 |
特定化学物質(第1類物質または第2類物質)を製造し、または取り扱う屋内作業場等 | 特化則36条 | 第1類物質または第2類物質の空気中の濃度 | 6月以内ごとに1回 |
特定有機溶剤混合物を製造し、または取り扱う屋内作業場 | 特化則36条の5 | 空気中の特別有機溶剤および有機溶剤の濃度 | 6月以内ごとに1回 |
石綿等を取り扱い、もしくは試験研究のため、または石綿分析用試料等を製造する屋内作業場 | 石綿則36条 | 石綿の空気中における濃度 | 6月以内ごとに1回 |
一定の鉛業務を行う屋内作業場 | 鉛則52条 | 空気中の鉛の濃度 | 1年以内ごとに1回 |
有機溶剤(第1種有機溶剤または第2種有機溶剤)を製造し、または取り扱う一定の業務を行う屋内作業場 | 有機則28条 | 当該有機溶剤の濃度 | 6月以内ごとに1回 |
作業環境測定サービス依頼の流れ
測定のご依頼
まずはメールまたは電話でお問い合わせ下さい。測定対象作業場の概要(作業内容、測定対象物質等)、測定時期などについて事前にお知らせ頂きますと、その後の対応がスムーズです。必要に応じて打合せを実施させて頂きます。
デザイン
測定対象作業場の諸条件を確認し、測定計画を立てます。その内容としては、作業場の生産工程、作業方法、発散する有害物質の性状その他作業環境を左右する諸因子を検討して、サンプリングの箇所、サンプリングの時間及び回数、サンプリングした資料を分析するための前処理の方法、これを用いる分析機器等について決定します。
サンプリング
測定しようとする物質の捕集等に適したサンプリング機器を、その用法に従って適正に使用し、デザインにおいて定められたところにより試料を採取し、必要に応じて分析を行うための前処理を行うことをいいます。
作業環境測定には、「A測定」と「B測定」があります。「A測定」は、作業場における有害物質の平均的な状態を把握するため測定。一方「B測定」は、作業者が有害物質の発散源とともに移動する場合など、A測定の結果を評価するだけでは作業者の有害物質への大きなばく露を見逃すおそれがあると考えられる作業が存在する場合に行う、A測定を補完するための測定です。
分析
サンプリングした試料を分析装置を用いて分析し、各測定点の測定対象物質濃度を定量、解析します。
評価
作業環境測定では、作業環境の状態を第1管理区分、第2管理区分、第3管理区分に区分して評価します。管理区分の決定には、それぞれの測定点の分析結果から、第1・第2評価値を計算し、B測定値と合わせて下記の表から管理区分を決定します。
A測定 | ||||
---|---|---|---|---|
第1評価値 <管理濃度 |
第2評価値 ≦管理濃度 ≦第1評価値 |
第2評価値 >管理濃度 |
||
B測定 | B測定値 <管理濃度 |
第1管理区分 | 第2管理区分 | 第3管理区分 |
管理濃度 ≦B測定値 ≦管理濃度 |
第2管理区分 | 第2管理区分 | 第3管理区分 | |
B測定値 >管理濃度×1.5 |
第3管理区分 | 第3管理区分 | 第3管理区分 |
結果報告
評価の結果をご報告いたします。作業環境測定結果が第3管理区分に決定した場合は、直ちに作業場の点検を行い、改善するために局所排気設備などの導入などの対策を講じる必要があります。
管理区分 | 第1管理区分 | 第2管理区分 | 第3管理区分 |
---|---|---|---|
評価 | 作業環境管理が適切にできている状態 | 作業環境管理に改善の余地がある状態 | 作業環境管理が適切でない状態 |
措置 | 作業環境管理が適切であると判断されるため同区分の継続に努める | 設備、作業方法等の点検を行い、その結果に基づき設備等の設置、作業方法等の改善その他作業環境を改善するために必要な措置を講ずるよう努めなければなりません | 直ちに現場の点検を行ない、有機溶剤濃度を下げるために、局所排気設備などの導入などの対策を講じる必要があります |
東海テクノの作業環境測定の特徴(強み)
作業環境測定機関として40年あまり、現場対応できる作業環境測定士も20名以上在籍しており、県内外のお客様の事業所管理を担っている当社がお客様のご要望を伺い、常時対応いたします。
主な測定内容
有機溶剤、粉じん、特定化学物質、金属類等の環境気中濃度測定、室内空気環境測定、溶接ヒュームの濃度測定
作業環境改善提案も可能
作業環境測定の結果が思わしくない場合は、作業環境改善提案や、局所排気装置の設計施工までご提案をさせていただけます。
局所排気装置の吸引方法、風量設定、フードの規模の決定を行い、職場に最適な局所排気装置をご提供いたします。
化学物質リスクアセスメントへの対応が可能
化学物質リスクアセスメントが法改正で義務化されました。(2023年4月1日施行)
かつての労災防止策は災害発生後にその原因調査と再発防止策を確立するものでしたが、その方法では潜在的なリスクは見落とされやすい問題がありました。さらに近年では技術の進展によって様々な機械設備や化学物質が導入され、事業場における危険性・有害性も多様化しつつあります。
そのため安全衛生対策の見直しによってリスクアセスメントが導入されることとなり、2014年6月、労働安全衛生法が改正され、SDS(安全データシート)交付対象である640物質(現在674物質)のリスクアセスメントの実施が義務化されました。この時点ではリスクの低減対策については努力義務とされていましたが、2022年さらに労働安全衛生法が改正され、労働者がリスクアセスメント対象物にばく露される濃度の低減措置についても義務化されました。(2023年4月1日施行)
罰則はありませんが、実施すべき要件に該当する場合に実施していなければ法律違反になり、労働基準監督署の行政指導の対象となります。
中でも特徴的な措置として作業環境の悪化、労働災害等の対応として作業環境管理専門家(外部の人)、化学物質管理専門家(外部の人が望ましい)の選任があります。当社では従来業務である作業環境測定の実施及び職場改善の提案に加えて、新たなサービスを始めることを決定致しました。事前に作業環境管理専門家や化学物質管理専門家の選任を行い、更には定期的に外部監査を行うなど、有事に備えての体制作りをお支えします。
また、労働安全衛生法の新たな化学物質規制により、リスクアセスメント対象物を製造、取扱い、または譲渡提供をする事業場は、業種・規模要件なしに化学物質管理者の選任が必要となります。化学物質管理者の選任要件として、専門的講習を受講する必要があります。
さらに化学物質管理者を選任した事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として、労働者に保護具を着用させるときは、保護具着用管理責任者を選任する必要があります。保護具着用管理責任者の選任に当たっては、保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者、保護具の着用に関する教育(保護具着用管理責任者講習)を受講したものを選任する必要があります。
個人ばく露の測定も可能
化学物質リスクアセスメントを進める上で、濃度基準値が設定されている物質については、リスクの見積りの過程において、労働者が当該物質にばく露される程度が濃度基準値を超えるおそれがある屋内作業を把握した場合、ばく露される程度が濃度基準値以下であることを確認するための測定を実施することとされています。
東海テクノではこの個人ばく露測定の対応も可能です。
ウイルス対策の提案も行っています。
ウイルス対策提案
~かわせみ通信創刊号~
昨今、猛威を振るう新型コロナウイルスをはじめとした、見えざる新たな脅威、外的要因による感染リスクに対しての職場の安全確保は、喫緊の重要課題と言えます。当社では新型インフルエンザが流行した10年以上前の、かわせみ通信創刊号で今と同じような影響や対策を言及してきました。
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このコロナ禍において、マスク着用や消毒など個人レベルの対策だけでは限界があり、滞在環境の改善有無が大きく影響します。
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