尿素水分析
尿素水とは
大型トラックやバスに多く採用されているディーゼルエンジンの排出ガスは、有害な物質を含むことから排出ガス規制が掛かりますが、その有害なガスを浄化する「尿素SCRシステム」に欠かせないのが尿素水です。尿素水はディーゼルエンジンが排出する窒素酸化物(NOx)を水と窒素に変えるために使用されており、次世代クリーンディーゼルエンジンには絶対に必要なものとなっています。
近年、中国の輸出制限に伴って韓国でディーゼル車用の高品位尿素水が不足して社会問題になり、そのニュースは日本でも大きく報じられました。高品位尿素水がないとディーゼル車は使用できなくなり、物流が止まるため大問題となります。
尿素水分析とは
ディーゼルエンジンに添加する尿素水の品質は、JIS K 2247-1で厳密に規定されており、品質要件は尿素濃度を含め18項目が設定されています。構成物や濃度が規格外の尿素水を使用するとエンジンの性能が十分に発揮できなくなるため、使用する尿素水が品質要件に適合していることの確認は欠かせません。
東海テクノでは尿素水分析としてJIS K 2247-1に規定された品質要件への適合性を判定するために必要な試験方法として規定されているJIS K 2247-2(ディーゼル機関―NOx還元剤AUS※ 32-第2部:試験方法)に準拠した試験を実施しており、第3社機関としての試験を承っています。
※AUSは,aqueous urea solutionの略語で,尿素水溶液を表す。
品質要件(JIS K2247-1 ディーゼル機関-NOx還元剤AUS32-第1部)
品質要件(JIS K2247-1 ディーゼル機関-NOx還元剤AUS32-第1部)を表示する
特性 | 許容値 | 単位 | 試験方法 |
尿素濃度 |
31.8~33.2 | % | JIS K2247-2 附属書C |
密度(20℃) | 1.0870~1.0930 | ISO12185 | |
屈折率(20℃) | 1.3814~1.3843 | JIS K2247-2 附属書C | |
アルカリ度(NH3換算) | 0.2以下 | % | JIS K2247-2 附属書D |
ビウレット | 0.3以下 | % | JIS K2247-2 附属書E |
アルデヒド | 5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書F |
不溶解分 | 20以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書G |
リン酸 | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書H |
カルシウム | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
鉄 | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
銅 | 0.2以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
亜鉛 | 0.2以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
クロム | 0.2以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
ニッケル | 0.2以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
アルミニウム | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
マグネシウム | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
ナトリウム | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
カリウム | 0.5以下 | mg/kg | JIS K2247-2 附属書I |
東海テクノの尿素水分析の強み
・尿素水分析の実績
当社ではJIS K 2247-2に準拠した試験を定期的に受け入れ、年間では数百検体の試験を実施しています。尿素水分析の実績が豊富であり、安心して試験をお任せいただけます。
・計量証明書機関としての信頼
東海テクノは計量証明事業所の登録機関として、長年にわたって水質分析をはじめ様々な分析に携わってきました。尿素水分析は計量証明対象外の分析となりますが、分析に係る精度管理手法などがなんら変わるものではありません。長年培ってきた経験を十二分に活かし、尿素水分析においても信頼頂ける分析値を提供致します。
・異常値検知の対応
東海テクノでは多種多様な分析を取り扱っていますが、多くの分析には基準値があります。どのような分析でも基準値を超過すると、お客様にとっては一大事ですので、基準値を超過したり、異常値が検出されたりした場合、いち早くお客様にお知らせする仕組みが確立されています。尿素水分析においても同じ仕組みで、異常値が検出された際には直ちにご連絡を入れさせて頂く体制を整えています。
サポート内容
・納期
分析納期はご依頼後10営業日(速報)が基本納期となります。お急ぎの場合はご相談に応じますので、気軽にお問合せ下さい。
・料金
分析料金は項目によって異なります。お得なセット料金も準備しておりますので、気軽にお問合せ下さい。必要に応じて御見積を提出させて頂きます。
よくある質問
JIS K 2247-1:2009による品質要件(赤外線吸収スペクトル)は対応可能ですか?
はい、対応可能です。
試料量はどれくらい必要ですか?
分析項目によって異なりますが、18項目検査の場合は1L程度となります。
依頼する場合はどうすればいいですか?
まずはご依頼内容をメール又はお電話にてお知らせ下さい。サンプルの受け渡しについては、依頼書とあわせてサンプルを郵送頂く方法が便利ですが、もちろん直接お持ち込み頂くことも可能です。
ご依頼の流れについて詳細はこちらにてご案内しておりますので、ご利用下さい。