バイオマス分析 ~セルロース・構成糖分析のご紹介~

セルロース等の組成分析(草本系・木質系)、構成糖分析

バイオマスは、再生可能な持続的資源であるがゆえに、日々様々な研究開発や実証化が行われています。その中で,バイオマス系原料中の組成(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)や、酵素糖化で得られる単糖類を正確に把握することは、バイオ変換プロセスの開発・評価において極めて重要な要素になると考えられます。
草本系・木質系バイオマス中の組成分析やデンプン分析をはじめ、木質系バイオマス中の構成糖分析技術も確立し、バイオリファイナリー研究分野等における様々なニーズに対応しています。当社では、これらバイオマス系原料組成の分析を「確かな技術・早く・安く」をモットーに提供させていただきます。

草本系バイオマス中の組成分析

飼料分析基準やVanSoest法により定められる試験法です。植物試料より繊維以外成分、ヘミセルロース、セルロースを順次除去し差重量よりヘミセルロース、セルロース、リグニンが求められます。
界面活性剤を用いておりタンパク質などの妨害成分の影響を受けにくいため、草本試料など複雑な組成成分をもつサンプルに適しています。

分析フロー

試料調製

  • 水分、灰分測定
  • 粒度調整

アミラーゼ処理

  • デンプンの除去

草本試料特有の
夾雑物を除去

  • デンプン
  • タンパク質
    脂質等

中性デタージェント繊維処理

  • 繊維以外成分の除去
  • 灰分測定
  • aNDFomを求める
  • ヘミセルロース
  • セルロース
  • リグニン

酸性デタージェント繊維処理

  • ヘミセルロースの除去
  • 灰分測定
  • ADFomを求める
  • セルロース
  • リグニン

酸性デタージェントリグニン処理

  • セルロースの除去
  • 灰分測定
  • ADLを求める
  • リグニン

分析価格表

試験項目 デタージェント分析法:飼料分析法
通常納期 通常価格 特急納期 特急価格
セルロース
ヘミセルロース
10日 ¥33,000~ 6日 ¥50,000~
リグニン ¥28,000~ ¥41,000~
3成分セット価格 
セルロース、ヘミセルロース、リグニン
¥39,000~ ¥58,000~

※分析必要量 乾燥重量 100g程度
※本分析は植物性試料に限ります。
※上記金額は税抜金額です。

木質系バイオマス中の組成分析

Japan TAPPI、Wise法、Klason法等により定められる試験法です。木質試料のアルコール・ベンゼン可溶分、ホロセルロース、α-セルロース、酸不溶性リグニン及び酸可溶性リグニンを求めるのに一般的に用いられます。

分析フロー

試料調製

  • 水分、灰分測定
  • 粒度調整
  • アルコール・
    ベンゼン可溶分

ソックスレー抽出

  • 脱脂処理

Klason法

  • 72%硫酸処理
  • 加熱還流
  • ヘミセルロース
  • α-セルロース

リグニン

  • 酸不溶性
    リグニン
  • 酸可溶性
    リグニン

ろ液の吸光度測定

  • 72%リグニンの吸光係数を用いて算出

Wise法

  • 亜塩素酸塩による脱リグニン処理
  • リグニン

ホロセルロース

  • ヘミセルロース
  • α-セルロース
  • α-セルロース

アルカリ処理

  • ヘミセルロースの除去

バイオマス系原料中の構成糖分析

試料を硫酸加水分解することでセルロース等の多糖類を全て単糖に分解し、単糖量を測定する試験法です。NREL/TP-510-42618手順に基づき硫酸加水分解を行い、誘導体化-GC/MS法により単糖類を測定します。
主にバイオマスの糖化利用に係る糖ポテンシャルの測定に用いられますが、合成素材中のセルロース混成量、半炭化物のヘミセルロース/セルロース比(H/C比)やセルロース残存量(炭化度)などを算出することも可能です。

分析フロー NREL1)の手順に準拠

試料調製

  • 水分、灰分測定
  • 粒度調整

硫酸加水分解

  • NREL手順による

誘導体化

  • アルドニル・アセチル化法

GC/MS測定

  • 内標準物質法
  • セルロース
  • ヘミセルロース
  • デンプン

分解・測定

多糖換算

  • グルコース
  • キシロース
  • マンノース
  • アラビノース
  • ガラクトース

酵素糖化試験 ~バイオリファイナリーの実用化に向けて~

バイオマスの酵素糖化工程を評価する試験です。ラボスケールでバイオマス試料を実際のセルラーゼを用いて糖化させることで糖化率(多糖から単糖への変換率)を求めます。NREL/TP-5100-63351に基づいて培養試験を行い、糖化工程前後の糖推移を誘導体化-GC/MS法及びHPLC法で測定します。

酵素糖化プロセスを一貫して評価します!

試料調製

  • 粒度調整

構成糖分析

  • 糖ポテンシャル測定

酵素糖化

  • セルラーゼ培養

糖類分析

  • 単糖及びセロビオース測定

糖化率算出

  • 構成糖分析と糖類分析の結果より糖化率を算出
  • セルロース
  • セルラーゼ

 

  • グルコース
  • セルロース

こんなご要望にお応えします!

・未利用バイオマスのセルロースや糖類のポテンシャルを把握したい
・酵素の性能を評価したい・前処理装置や前処理方法を評価したい
・最適な酵素糖化条件を決定したい
・単糖の回収率を評価したい
・ラボスケールで酵素糖化試験データを収集したい
・糖化試験を委託したい

セルロース等の「簡易分析計」のご提案

脱炭素社会に向けて急速に開発が進んでいるバイオリファイナリー技術の中で弊社はセルロース等の分析サービスを提供しております。セルロースの量を正確に測定することは、バイオリファイナリーの品質管理や最適な生産プロセスの設計に欠かせません。
弊社が開発したセルロース等の簡易分析装置は、短時間でセルロース等に測定が可能であり、バイオリファイナリーにおける効率的な生産に貢献します。
貴社の業務効率化にお役立てください。

簡易測定器が届くまで

①検量モデル作成

  • 10~20検体の精密分析
    • セルロース
    • ヘミセルロース
    • リグニン
    • 糖類
    • その他

②検量モデル完成

③簡易測定器発送

④現場簡易測定

この技術は、非破壊的で迅速に、そして非常に幅広い種類のサンプルに適用できるため、様々な領域で使用されています。

・油分や脂肪含量の簡易測定
・セルロース、単糖、デンプンなどの簡易測定
・炭水化物含量の簡易測定
・植物の簡易成分分析
・タンパク質含量の簡易測定
・遊離糖の簡易測定

ただし、サンプルの特性や環境条件によっては精度が低下することがあります。また、分析の前には、適切な校正曲線を用意する必要があります。したがって、分析の前には使用する分析装匿 の特性とその分析対象とするサンプルの特性について十分に検討して、適切な分析条件を設定する必要があります。

成分分析の主なラインナップ

草本試料の組成分析

デタージェント法(飼料分析基準、VanSoest法)

・セルロース
・ヘミセルロース
・リグニン
・灰分

木質試料の組成分析

Wise法、Klason法

・有機溶媒可溶分
・ホロセルロース
・α-セルロース
・酸不溶性リグニン
・酸可溶性リグニン

構成糖分析

硫酸分解-誘導体化GC/MS法

・グルコース
・キシロース
・マンノース
・アラビノース
・ガラクトース

精度妥当性確認

木質組成分析用実用参照物質

・灰分       0.35±0.08
・有機溶媒可溶分  1.08±0.28
・ホロセルロース  70.0±12.8
・α-セルロース   44.9±8.4
・酸不溶性リグニン 32.3±6.0
・酸可溶性リグニン 0.23±0.06
(付与値±不確かさ 単位:0/0-Dry)

その他の成分分析について

デンプン分析

食品産業のデンプン系廃棄物の有効利用として、バイオエタノールの製造が以前から注目されています。当社では分析手法が容易で、精度の高い酵素法を採用。この酵素法はAOAC(米国分析化学会)で承認されている方法で、植物、食品の比較的多様なサンプルに適用できます。

試料調製

  • 水分測定
  • 粒度調整
  • 遊離糖除去
  • デンプン

可溶化

  • アミログルコシダーゼ
  • 低分子~中分子
    マルトデキストリン

糖化

  • 耐熱性α-アミラーゼ
  • 低分子
    グルコース

吸光度測定

  • GOPOD試薬による方法

分析精度の妥当性確認の取り組みについて

近年、世界各国にて持続的再生可能な資源として「バイオマス」がクローズアップされており、バイオリファイナリー、セルロースナノファイバーをはじめとする「木質系バイオマス資源」の利用が注目され、その組成分析のニーズが高まっています。

しかし、その分析は木材を構成する成分量の厳密な把握が必要とされるものの、分析精度の妥当性を確認するために利用される標準物質が存在しておりませんでした。

そのような背景の中、今後、組成分析値が付与された標準木粉が不可欠になってくると考え、杉を原料とする木粉を調製し、木質組成分析用実用参照物質≒セルロース標準物質(以下、実用参照物質という)の独自開発を果たしました。

本実用参照物質は、粉末状の木粉(杉)の有機溶媒可溶分、ホロセルロース、αセルロース、酸不溶性リグニン、灰分、酸可溶性リグニンの6成分の含有率を値付けした木粉物質であり、分析者はこの実用参照物質を分析することによって、常に自分自身の技能を客観的に評価し、工程管理(前処理)を含めた分析値の信頼性確保と検証を行うことが可能となります。

木質成分の分析に携わる技術者・研究者の皆様に「分析値の評価」「試験方法等の妥当性確認(バリデーション)」等に是非、ご活用いただければと思います。

品名 容量 RM.No. 入数 価格(税抜)
スギ粉末
(Cedar Powder)
 50g

TT-RM-01-a

※実用参照物質付与値報告書

   ※開発報告書

1本 ¥50,000-

セルロース分析を担当している三輪です。過去にはバイオエタノール、近年ではバイオ樹脂、CNF原料として注目され活用も始まっているセルロースなど多糖類やリグニンですが、バイオマスの種類によってサンプルの処理方法や分析方法が異なります。当社では草本系・木質系バイオマスにも対応出来る体制を整えています。開示可能であれば依頼の目的を伺ったり、試料がどのような由来なのかをしっかりと把握して最適な分析方法で結果をご提供します。また学会にも積極的に参加し、自身の経験と技術を日々高めることで、お客様のより高度なご要望に応えられるように取り組んでいます。

◆TOPICS◆

1. パルプ中のリグニン含有量及び炭水化物組成(構成糖)の試験方法に関する

   ラウンドロビン・テストに参加しました

現在、ISO/TC6/WG4及びISO/TC6/AHG2(紙パルプ、セルロースナノ材料(CNF)分野における製品規格、 試験規格委員会 事務局カナダ)では、パルプ中のリグニン含有量および炭水化物組成(構成糖)の試験方法に関するISO規格化を検討しています。

当社は、規格策定に関しての2019年度 ラウンドロビン・テストに日本代表の民間分析機関として参加して以降、継続して活動する事となりました。

★ラウンドロビン・テストとは?★

ラウンドロビン・テストとは、測定者の技量を含めて測定方法や測定装置の信頼性を検証するために、複数の試験機関に同一の技能試験品目を回して測定を行う共同作業の方法です。

最近は、国際標準試験法の策定や標準試料の選定に国を超えた取り組みも行われています。

2. 実用参照物質の販売を開始

当社では独自開発した「木質成分分析用実用参照物質」の販売を開示しました。

※詳細は本ページ後半「分析精度の妥当性確認の取り組みについて」をご参照ください。

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