RoHS分析
RoHS分析とは
RoHS分析とは、RoHS指令で使用制限の掛かる規制対象物質が許容濃度以下であることを証明する分析です。EU域内に規制の掛かる製品を輸出する場合、この証明書が必要になる事があります。
そもそもRoHS指令とは電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するEU(欧州連合)の規制です。RoHS指令は、電気・電子機器のリサイクルを容易にするため、また、最終的に埋立てや焼却処分されるときに、人や環境に影響を与えないように、EUで販売する電気・電子機器の有害物質を非含有とさせることを目的として制定されています。
RoHS指令の規制物質
現在では電気・電子機器において具体的に、カドミウム、鉛、水銀、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)、4物質のフタル酸エステルの使用が制限または禁止されています。2022年12月現在、全10物質が規制対象となっており、規制対象となる有害物質一覧がこちらです。
RoHS指令 規制対象 有害物質一覧 | ||
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規制対象物質 | 最大許容濃度 | 主な用途・備考 |
鉛(Pb) | 0.1wt%(1000ppm) | はんだ、合金成分、蓄電池 |
水銀(Hg) | 0.1wt%(1000ppm) | 蛍光灯、体温計 |
カドミウム(Cd) | 0.01wt%(100ppm) | 顔料、めっき、蛍光灯、蓄電池 |
六価クロム(Cr6+) | 0.1wt%(1000ppm) | めっき、酸化剤 |
ポリ臭素化ビフェニル(PBB) | 0.1wt%(1000ppm) | 自動車用塗料、難燃剤 |
ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE) | 0.1wt%(1000ppm) | 難燃剤 |
フタル酸ビス(2-エチルへキシル)(DEHP) | 0.1wt%(1000ppm) | 塩化ビニルの可塑剤、電線被覆、壁紙、ホース、塩化ビニル樹脂 |
フタル酸ブチルベンジル(BBP) | 0.1wt%(1000ppm) | ポリサルファイド系樹脂の可塑剤、建築用シーリング材、アクリル系塗料の可塑剤 |
フタル酸ジブチル(DBP) | 0.1wt%(1000ppm) | 可塑剤、接着剤、セロハン、塗料 |
フタル酸ジイソブチル(DIBP) | 0.1wt%(1000ppm) | 可塑剤 |
RoHS分析における東海テクノの強み
RoHS規制は欧州の規格であるため、その分析においても国際的な信頼が求められますが、東海テクノは対象物質である10項目のRoHS分析において、ISO/IEC17025認定を取得しています。ISO/IEC 17025は、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 9001を参照して、試験及び校正を行う機関が一定の基準を満たすために、必要な事項を規定したものであり、東海テクノは国際的な承認を得た試験所であると自負しています。
ISO/IEC17025認定証
RoHS分析の方法
東海テクノで行っている分析方法は下表の通りです。方法のご指定がある場合はご相談に応じますので、ご連絡下さい。
対象物質 | 前処理 | 分析装置 |
カドミウム(Cd) 鉛(Pb) |
加圧酸分解 | ICP質量分析装置 ICP発光分光分析装置 |
水銀(Hg) | 湿式分解 | 還元気化原子吸光装置 |
六価クロム(Cr6+) | ジフェニルカルバジド法 | 吸光光度計 |
ポリ臭化ビフェニル(PBB) ポリ臭化ビフェニルエーテル(PBDE) |
ソックスレー抽出 | ガスクロマトグラフ 質量分析装置 |
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP) フタル酸ブチルベンジル(BBP) フタル酸ジブチル(DBP) フタル酸ジイソブチル(DIBP) |
ソックスレー抽出 | ガスクロマトグラフ 質量分析計 |
ご依頼から分析完了までの流れ
1)まずは弊社ホームページのお問い合わせ又はお電話にてご依頼内容をお知らせ下さい。必要に応じて金額のご提示および御見積書をご提出致します。
2)サンプルは密閉できる容器に入れて頂き、郵送でお送り下さい。弊社に直接お持ち込み頂いても構いません。
3)規定の方法に従って弊社ラボにて分析試験を実施致します。分析納期は分析項目、試料数によって異なりますが、およそ10営業日程度です。お急ぎの場合はご相談下さい。
4)分析完了後、お約束の納期期日までに結果をご報告致します。提出致します分析報告書の一例を下記に示します。報告書は日本語のみ、英語のみ又は日英併記の選択が可能です。(下記は日英併記の事例)
また、お急ぎの場合は報告書発行前にMailまたはFAXにて結果のみ速報させて頂きます。
ご依頼の流れについてはこちらでも詳細をご案内しておりますので、ご利用下さい。
分析報告書例(日英併記)
よくある質問
費用について教えてください。
分析項目によって異なります。ご依頼内容とご依頼検体数をご連絡頂けましたら、それに応じた料金をご提示致します。
分析に必要な試料量を教えてください。
分析項目によって異なり、およその必要量は次の通りとなります。
金属項目(カドミウム・鉛・水銀・六価クロム):計5g程度
PBB/PBDE:計2g程度
フタル酸:計2g程度
どのようなものでも分析できますか?
粉砕可能なプラスチック、ゴム、樹脂製品などが対象となりますが、水試料や金属製品も対応は可能です。必要に応じた対応を致しますので、お気軽にお問合せ下さい。