個人ばく露測定

個人ばく露測定とは

個人ばく露測定は、労働者の健康障害の防止を目的として、労働者の有害物のばく露量を把握するために行うリスクアセスメントの手法の一つです。具体的には、有害物質を取り扱う作業者にサンプラーを装着して呼吸域の空気(気体)を捕集し、対象物質の分析を行い、分析結果を濃度基準値等と比較して、健康リスクの評価を行います。

個人ばく露測定と作業環境測定の違い

同じく労働者の健康障害の防止を目的として実施される作業環境測定は、職場環境(作業場)が良好であるか、改善が必要であるかを判断する「作業環境の状態を把握するための測定」です。調査方法としては、職場の有害物の分布状況を把握し、作業環境の状態を管理区分で判定します。

個人ばく露測定と作業環境測定の違いは、簡単にいうと個人のばく露状況の測定と職場環境の測定の違いです。詳細な個人ばく露測定と作業環境測定の違いをまとめると次の通りとなります。

個人ばく露測定 作業環境測定
主な目的 リスクアセスメント 作業環境管理
評価対象 個人のばく露状況 作業場周辺の濃度
評価方法 ばく露濃度(8時間ばく露量又は短時間(15分間)ばく露量)との比較 各測定点の濃度とばらつきより管理区分を決定
評価基準 濃度基準値等 管理濃度

これらの測定は労働者の健康障害の防止する目的は同じであるものの、その評価方法や評価基準が異なるものであります。

個人ばく露測定の進め方

ほとんどの場合、個人ばく露の測定を自社で行うことは難しく、専門業者に依頼する方法が一般的です。弊社に測定のご依頼を頂いた場合、次のようなステップで測定を進めます。

①準備

クリエイトシンプルなどの数理モデルの活用を含めた適切な方法によってリスクアセスメントを実施し、その結果から測定の実施が必要なばく露作業を選定します。選定頂きました内容について弊社にご連絡を頂けましたら、担当者より測定日、測定方法などについて詳細の打合せをさせて頂きます。

リスクアセスメントについては、詳細ページを参照ください。また、リスクアセスメントのコンサルティングも行っておりますので、ご不明な場合はお気軽にお問い合わせください。

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②測定

サンプラーを作業者の呼吸域(作業着の襟元又は胸)に装着し、対象作業を含む通常の作業を行って頂きます。8時間濃度基準値と比較する場合、装着時間は8時間とすることが望ましく、対象作業時間が短い場合は少なくともばく露量が高い時間帯を含めた2時間以上とします。

短時間(15分間)濃度基準値と比較する場合は最もばく露が高いと推定される作業者について、最もばく露が高いと推定される作業時間の15分間に測定を実施します。

③分析

サンプラーを分析ラボに持ち帰り、測定対象物質を化学的操作で脱着して、専用の分析装置で定量操作を行います。

 参考までに弊社で測定実績のある対象成分を下記に示します。リストにない物質も適宜対応を検討致しますので、お気軽にご相談ください。

【個人ばく露測定実績成分】

1,3-ブタジエン ヒドラジン
ピリジン メタクリロニトリル
四ホウ酸ナトリウム クロム
ニッケル マンガン
アクリロニトリル エタノール
ジフェニルヒドロキシトルエン チウラム
無水フタル酸 アンチモン
クロム シリカ
コバルト 亜鉛
アルミニウム カルシウム
チタン
ジルコニウム

④評価

定量の結果を濃度基準値等と比較し、ばく露濃度を評価します。ばく露濃度が濃度基準値等を超える場合は、ばく露を最小限度とすることを含むリスク低減措置の実施を検討します。

東海テクノの個人ばく露測定の強み

東海テクノは長年にわたり作業環境測定機関として、様々な作業環境測定を実施してきました。これまでの経験を活かし、個人ばく露測定にも幅広く対応。多数在籍する作業環境測定士をはじめ、労働衛生管理のスペシャリストである労働衛生コンサルタント、オキュペイショナルハイジニストも在籍しており、様々な相談事項にも対応が可能です。

東海テクノに在籍するスペシャリスト(R6.4現在)

保有資格 有資格者数
労働衛生コンサルタント 2名
オキュペイショナルハイジニスト 1名
作業環境測定士(1種) 27名
作業環境測定士(2種) 39名

また近年の労働安全衛生法の改定にも幅広く対応し、リスクアセスメントのコンサルタントをはじめとする多岐に渡るサービスを展開していますので、お客様のお困り事にもピンポイントで対応できます。

・リスクアセスメントコンサルタント

・作業環境管理専門家の外部依頼サービス

・化学物質管理専門家の外部依頼サービス

・化学物質管理者講習の実施

・保護具着用管理責任者講習の実施

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