リケジョ File.1(四日市分析センター ラボGr 熱血Sさん)

自慢のリジョケ(理系女子)

たいていの故障は直せて当たり前

~飽くなき好奇心と持ち前の根性で異分野の分析も切り拓く~

実は分析分野は苦手だったというSさん。長崎県から大学入学に合わせて三重県へ。大学ではネズミを使った病理研究を医学部と共同で行なう「生物分野」を学んでいたそう。大学で勉強したことを生かしたいと当社へ入社。様々な試料を分析し、結果を出していく作業は探究心と好奇心が掻き立てられるそうで、今では分析が好きになったそう。故障した機器を直すのはプロフェッショナル!の証とも。部下からの信頼も厚く、頼もしい女性リーダーです。

掲載日 2017年12月12日

自慢のリケジョ回答者

四日市分析センター ラボGr

熱血Sさん

どうしたら?を考えるのが楽しみ
今行っている業務や研究について教えてください
Sさん : 私は有機化合物等を測定するグループに所属しているので、クロマト業務中心に水質からプラスチック製品など様々な分析を行っていますが、会社から課題を与えられる社内研究も並行して取り組んでいます。過去私の取り込んだ課題は、テレビでも取上げられるようになった大豆イソフラボンの代謝物質「エクオール」※1を当社で測ることはできないか?ということでした。

そもそも会社の新業務にしていくというよりは、ここ数年増えているニッチな分析相談に応えられる人材能力、「考える力、調べる力、関わりを作る力、壁を超える力」を付けるためという、なんとも理不尽な課題でした(笑)
※1 イソフラボンをエクオールに代謝して女性ホルモンとして働かせることができるのは、日本人の場合二人に一人と言われている。
それは何とも・・(;^_^A 大変でしたね。
Sさん : 当初はエクオール分析がまだ一般的ではなかったため、分析方法、前処理方法の全てがゼロからのスタートでした。まず、エクオール単体での分析条件を検討し、高速液体クロマトグラフで分析できることが判明しました。次に、エクオールは尿中に存在するので、尿を希釈し、分析を行いましたがエクオールが検出しませんでした。

悩みつつもいろいろ文献を調べていくと、エクオールは体内では共合体として存在するため、この共合体を分解する(脱共合)が必要であることがわかりました。そこで共合体を分解するための酵素を添加してみると見事エクオールが検出するようになりました。これらをふまえて分析条件、前処理方法が決定しましたのでその後も試行錯誤を繰り返して回収率や再現性などをクリアしていって、やっと当社における分析方法の確立に至りました。

修理の苦戦の過程も楽しみ
仕事をしていて楽しいことと辛いことは何ですか?
Sさん : 当社は受託分析会社ですのでいろいろな種類の試料、いろいろな項目を分析する必要があります。慣れたものもあればニッチな初物もあります。私が行っているクロマト分析は同時に複数の物質を検出できるという利点がありますが、中には検出を妨害する物質が多く存在する試料もあります。
この場合、測定物質を損なわず妨害物質をいかに除去できるかがポイントになり、その方法を考える必要があります。

例えば、従来の除去方法では共存物質の妨害を阻止できず、対象物質が分離できない場合もあり、この場合はグラジエント条件※2を変えて分析してみたりします。このように変わった試料を分析する際にいろんな方法を考え、考えたことが成功につながると達成感を感じ、楽しいことにつながります。

また、故障している装置の問題点を探し、苦戦しながらも修理していく過程でどんどん直っていく状況が確認できると楽しいと感じます。辛いことは辛いと感じることがない性格なので特にありません。
※2 液体クロマトグラフィーで移動相の組成を変化させながら分離する方法をグラジエント溶離法と言い、その移動の流速を変えるなどの操作のこと。
最後に、日ごろ心がけていることがあれば教えてください
Sさん : 大勢の仲間がいますので、職場が明るく、みんなが話しやすい雰囲気作りを心がけています。探究心はなくさず、常に「なぜ?」という視点で未知の世界には積極的に挑戦し続けたいなと思っています。
自慢のリケジョ

Rikejyo