コラム

化学物質管理の専門家になるためには?2 日間の講習受講で資格の取得が可能?

更新日:2023.12.25

労働安全衛生規則等が改正され、新たに「化学物質管理専門家」という役割が新設されました。「化学物質管理専門家」は、化学物質に関連するリスク管理などの専門的な知識を持ち、より広範な視点でのアドバイスや支援を担う役割になります。ここでは「化学物質管理専門家」とは、どういう資格で、どうしたらなれるのか、どういうときに必要とされるのかを確認していきます。

化学物質管理専門家とは?

化学物質管理専門家とは、化学物質のリスク管理に関わる専門家であり、自律的な化学物質管理を目指すための重要な役割を担っています。具体的には、2022年(令和4年)5月に厚生労働省が労働安全衛生規則を改正した際に新たに規定された職種です。

新たな規制の中でリスクアセスメント対象物を製造、取扱い、または譲渡提供をする事業所に選任が義務付けられた「化学物質管理者」とは異なります。

化学物質管理専門家と化学物質管理者の違い

化学物質管理専門家とは化学物質に関する幅広い知識とスキルを持つ専門家で、化学物質のリスク管理などに関わる専門家です。化学物質管理専門家の役割は、監督署長による改正後の安衛則第34条の2の10による監督署長指示を受けた事業者が意見を聞く相手になることであり、化学物質管理事業場における化学物質の管理を行う「化学物質管理者」とは役割が大きく異なります。

化学物質管理専門家の要件

化学物質管理専門家になるためには、次のような要件があります。

•労働衛生コンサルタント(労働衛生工学)で5年以上の実務経験
•衛生工学衛生管理者として8年以上の実務経験
•作業環境測定士として6年以上の実務経験かつ厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了した者
•その他上記と同等以上の知識・経験を有する者(オキュペイショナル・ハイジニスト有資格者等)

化学物質管理専門家は、化学物質に関する専門知識と経験を持ち、化学物質の管理と労働災害の防止に貢献します。その役割は、安全な労働環境の維持と保護に務め、専門的なスキルを持つことが非常に重要です。そのため、短期間での講習で得られる資格ではありません。

化学物質管理専門家が必要とされる時とは

国内で輸入、製造、使用されている化学物質は数万種類にのぼり、その中には、危険性や有害性が不明な物質が多く含まれます。化学物質を原因とする労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)は年間450件程度で推移しており、がん等の遅発性疾病も後を絶ちません。こういった背景から化学物質管理専門家を設置することで、改善が必要な事業者に対し、改善措置の提案等を行うなど、労働者の安全と適切な化学物質管理をより専門的な立場で実施することが必要となってきました。その背景から2023年4月1日より労働安全衛生規則等の一部が改正され、自律的な化学物質管理が強化され、新たに「化学物質管理専門家」という役割が新設されたわけです。

化学物質管理専門家の存在は、安全性と法のコンプライアンスを確保する上で非常に重要です。作業環境測定を行っているような事業所において、次のようなときに、化学物質管理専門家が必要となってきます。

・労働基準監督署長から化学物質管理について改善を指示された場合、望ましい改善措置に関する助言を化学物質管理専門家より受ける必要がある。(2024 年 4 月施行)

・化学物質管理水準が一定以上である(良好な事業場である)事業場において、特別規則等の適用除外を受ける場合には、当該事業場に専属の化学物質管理専門家が配置されていることに加え、外部の化学物質管理専門家の評価を受ける必要がある。(2023 年 4 月施行)

限られた人材の中、自社で化学物質管理専門家を育成することは困難です。東海テクノのような外部委託サービスを利用するのが良いかもしれません。

まとめ

化学物質管理専門家は、まだまだ人数が多くおらず、人材育成にも時間が掛かるのが実情です。しかし、必要とされる場面があります。東海テクノは長年の経験と専門知識を有して、化学物質管理における高品質なサービスを提供してきました。事業所等にかかってくるリソース等の負担を軽減し、信頼性の高いパートナーとして東海テクノを活用することが有益です。

化学物質管理者講習について詳しく見る

ご相談。お見積もりのご依頼はこちら
コラム

Column