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シックハウス症候群とは何か?その症状と対策などを解説!

更新日:2024.5.28

現代社会においては、我々の多くが日常の大部分を建物内で過ごします。そのため、建物内の環境が直接的に健康に影響を及ぼすことは否めません。

特に日本では、住宅の省エネルギー化と快適性の追求が、思わぬ副作用をもたらしています。その副作用の1つとして、新たな健康リスク「シックハウス症候群」という問題があげられます。

このコラムでは、シックハウス症候群の概念を深掘りし、その原因となる要因、影響する症状、そして私たちが取り組むべき具体的な対策について解説します。さあ、健康で快適な居住空間を目指す旅を始めましょう。

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群は、住宅の省エネルギー化を目的に、高気密化・高断熱化の追求が進んだため、室内環境の変化によって引き起こされる健康問題を指します。日本の伝統的な住宅は自然の風を取り入れ、居住空間を自然に換気する設計でしたが、現代の建築技術の進歩はその自然の特性を失わせてしまいました。

その結果、家具や建材、日用品から放出される化学物質が室内に充満し、これらの物質が原因で、目や鼻、喉の刺激、皮膚のトラブル、頭痛や倦怠感などの健康被害が発生するようになったのです。

また、このシックハウス症候群は日本独自の現象ではありません。欧米ではこの問題を「Sick Building Syndrome」と称しており、主にオフィスビルや公共の建物で問題視されていますが、その根底にある問題の性質は同じです。シックハウス症候群は、現代の建築技術がもたらす副作用の一つとして、世界中で注目されている課題です。

シックハウス症候群の主な6つの症状

シックハウス症候群による健康被害は、主に化学物質に晒されることで引き起こされ、これらの症状は、日常生活において著しく不快感を与えるものです。以下に、シックハウス症候群の主な症状を詳細に説明します。

眼や喉の痛み

建物内の化学物質や微粒子物質は、眼や喉の粘膜を刺激し、痛みや不快感を引き起こします。これはシックハウス症候群の初期症状として最も一般的に報告されるものです。

頭痛とめまい

不適切な室内空気は、頭痛やめまいを誘発することがあります。これらの症状はしばしば長時間の曝露後に発生し、一般的には室外に出ると改善します。

吐き気

化学物質の強い臭いやその存在は、吐き気や気分の悪さを引き起こすことがあります。これは、特に揮発性の高い有機化合物が関与している場合に顕著です。

呼吸困難

アレルゲンや刺激性の化学物質が原因で、呼吸困難を経験することもあります。特に喘息患者や呼吸器系に既存の問題を抱える人々にとっては深刻な症状です。

皮膚の刺激

接触性皮膚炎や他の皮膚反応は、化学物質に直接触れることが原因で発生することがあります。代表的な症状として、赤み、かゆみ、発疹などがあげられます。

集中力の低下、脱力感、倦怠感

シックハウス症候群は、集中力の低下や脱力感、そして持続的な倦怠感を引き起こすことがあります。これらは、化学物質に曝露され続けることで生体リズムや神経系が乱れることによって引き起こされると考えられています。

シックハウス症候群の主な原因について

 シックハウス症候群の原因となる要因は、主に住宅やオフィスなどの建築物内で使用される様々な材料や製品から放散される化学物質が中心です。これらの化学物質は、空気環境を著しく悪化させ、居住者の健康に多大な影響を及ぼします。ここでは具体的な事例を2例ご紹介します。

建材と家具からの化学物質放散

現代の住宅建材や家具は、ホルムアルデヒドやその他の揮発性有機化合物(VOC)を含む接着剤や塗料を使用して、製品として加工されていることが一般的です。これらの物質は時間とともにゆっくりと空気中に放出され、室内環境に蓄積します。

日常生活製品からの化学物質放散

日常生活において使用される多くの製品からも化学物質が放散されることがあります。衣類の防虫剤、芳香剤、殺虫剤、そして石油ファンヒーターなどは、特に冬季に室内で広く使用されることが多く、これらから放出される化学物質が室内の空気環境を悪化させる主要な要因となります。

これらの化学物質は室内で蓄積する性質があるため、室内空気が十分に換気されない場合、その濃度が健康に害を及ぼすレベルに達するリスクが高くなります。

室内濃度指針値について

さきほどは原因について紹介致しましたが、有害物質が少しでも含まれていれば直ちに症状が出てしまうものではありません。有害物質の室内濃度が上昇するに連れて、症状が出る可能性は高まります。

厚生労働省を中心とするシックハウス症候群に関する検討会は、シックハウス症候群の原因物質と位置付けられる有害物質について指針値を設けています。指針値は、現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響を受けないであろうと判断される値とされています。

主要な化学物質の室内濃度指針値は下記の通りです。

揮発性有機化合物(VOC) 室内濃度指針値
ホルムアルデヒド 100µg/m3
(0.08ppm)
アセトアルデヒド 48µg/m3
(0.03ppm)
トルエン 260µg/m3
(0.07ppm)
キシレン 200µg/m3
(0.05ppm)
エチルベンゼン 3800µg/m3
(0.88ppm)
スチレン 220µg/m3
(0.05ppm)
パラジクロロベンゼン 240µg/m3
(0.04ppm)
テトラデカン 330µg/m3
(0.04ppm)
クロルピリホス 1µg/m3
(0.07ppb)
但し小児の場合は0.1µg/m3
(0.007ppb)
フェノブカルブ 33µg/m3
(3.8ppb)
ダイアジノン 0.29µg/m3
(0.02ppb)
フタル酸ジーnーブチル 17µg/m3
(1.5ppb)
フタル酸ジー2ーエチルへキシル 100µg/m3
(6.3ppb)(注1)
総揮発性有機化合物量(TVOC) 暫定目標値
(注2)
400µg/m3

シックハウス症候群の対策方法について

シックハウス症候群を予防し、そのリスクを最小限に抑えるためには、様々な対策が効果的です。主に、換気の改善、低放散性の建材や家具の選択、そして新築や改築後の入居前換気が重要な手段となります。これらの対策を通じて、室内の化学物質濃度を低減し、健康被害を防ぐことができます。

十分な換気

室内の空気環境を改善するための最も基本的な方法は換気です。具体的には、窓を二箇所以上開けて空気の通り道を作ることが推奨され、この方法によって室内の古い空気と新鮮な外の空気とが効率的に交換され、化学物質濃度の著しい低下が期待できます。特に、新築やリフォーム後の建物では、内装材からの化学物質放散が最も多いため、入居前に十分な換気を行うことが重要です。

化学物質の少ない建材や家具の選択

新しい家具や建材を選ぶ際には、化学物質の放散量が少ない製品を選択することが重要です。合板や壁紙、塗料などの建材には、ホルムアルデヒドなどの放散量を示す規格が設けられています。これらの規格に基づき、低放散の製品を選ぶことで、室内の化学物質の濃度を低く保つことが可能です。家具を購入する際も、押入れや家具の扉を開けて換気することを忘れずに、できるだけ自然素材や無垢材を使用した製品を選びましょう。

シックハウス測定の相談は東海テクノへ!!

シックハウス症候群の対策を始めるには、室内環境の正確な測定が欠かせません。東海テクノでは、専門的な知識と最新の技術を活用して、シックハウス測定の対応を行っており、最先端の測定機器を用いて室内の化学物質濃度を正確に測定することが可能です。健康で快適な室内環境を保つことは、私たちの使命と考え、あなたの安心と健康を守るために全力でサポートいたします。

このコラムを通じて、シックハウス症候群の理解が深まり、対策の必要性が明確になれば幸いです。何かご不明点やご相談がある場合は、いつでもお気軽に東海テクノまでお問い合わせください。

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