PFAS分析

PFASとは

PFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物)とは、炭素とフッ素の強固な化学結合を持つ合成化学物質の一群であり、熱や水、油に対して非常に高い耐性を持ち、さまざまな産業製品に使用されています。例えば、防水加工された衣服、ノンスティック加工の調理器具、電気・電子機器のコンポーネント、消防泡などがその用途として知られています。

PFASの化学構造は多岐にわたり、現在までに数千種類が同定されています。これらの物質は、製造プロセスや廃棄された製品から環境に入り込み、特に水環境での汚染が問題視されています。この汚染は人間の飲料水に影響を及ぼす可能性があるため、世界中でPFASの使用制限や排出規制が進められている状況です。

PFASの環境への影響と人体への潜在的影響に関する研究はまだ進行中であり、新たな発見がなされるたびに、規制や安全基準の見直しが行われています。したがって、PFASの正確な分析と監視は、環境保護と公衆衛生の観点から非常に重要です。

東海テクノのPFAS分析の強み

東海テクノはPFOS/PFOA/PFHxSをはじめとしたPFAS分析を行っています。下記に示す通り、経験も豊富であり、様々なご相談にも対応が可能です。

・産総研のラウンドロビンテストに参加。
PFOS/PFOAが注目され始めた当初より、当該分析を実施。第1回(2008年)、第2回(2009年)PFOS/PFOA国内分析事業者の技能試験(ラウンドロビンテスト)にも参加しており、分析技術には自信があります。

・弊社社員がPFAS関連の特別講演講師を担当
アジレント・テクノロジー株式会社主催のWEBセミナーにて、数回にわたってPFAS分析をテーマとした講演の特別講師を弊社社員が担当。確かな分析技術で幅広いご相談にも対応可能です。

・水質試料以外のPFAS分析にも幅広く対応
例えばタンク内のPFOS・PFOA残留確認試験など、水質試料中のPFAS分析だけではなく、様々なシーンのPFAS分析に対応します。

測定可能項目一覧

東海テクノでは水質規制値が設定されたPFOS/PFOA/PFHxSの分析はもちろん、他下記の項目について分析対応が可能です。記載のない項目についても適宜対応を検討いたしますので、PFAS分析をご検討の際は是非ご相談ください。

・PFACS

種類 化合物名 炭素数 名称
ペルフルオロアルキルスルホン酸 PFBS 4 ペルフルオロブチルスルホン酸
PFPS 5 ペルフルオロペンタスルホン酸
PFHxS 6 ペルフルオロヘキサスルホン酸
PFHpS 7 ペルフルオロヘプタスルホン酸
PFOS 8 ペルフルオロオクタスルホン酸
PFNS 9 ペルフルオロノナスルホン酸
PFDS 10 ペルフルオロデカスルホン酸
ペルフルオロアルキルカルボン酸 PFBA 4 ペルフルオロプタン酸
PFPA 5 ペルフルオロペンタン酸
PFHxA 6 ペルフルオロヘキサン酸
PFHpA 7 ペルフルオロヘプタン酸
PFOA 8 ペルフルオロオクタン酸
PFNA 9 ペルフルオロノナン酸
PFDA 10 ペルフルオロデカン酸
PFUnA 11 ペルフルオロウンデカン酸
PFDoA 12 ペルフルオロドデカン酸
PFTrDA 13 ペルフルオロトリデカン酸
PFTeDA 14 ペルフルオロテトラデカン酸
PFHxDA 16 ペルフルオロヘキサデカン酸
PFOcDA 18 ペルフルオロオクタデカン酸

・PFOA関連物質(フルオロテロマー) 

化合物名
1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-1-n-オクタノール(6:2FTOH)
1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デカノール(8:2FTOH)
1H,1H,2H,2H-ペルフルオロドデカン-1-オール(10:2FTOH)
1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-n-オクチルヨージド (6:2 FTI)
1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルヨージド
アクリル酸1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-n-オクチル(6:2FTAC)
アクリル酸1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル
メタクリル酸1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-n-オクチル(6:2FTMAC)
メタクリル酸2-(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7-トリデカフルオロヘプチルオキシラン

・PFOA関連物質(ペルフルオロアルキル基を持つ化合物)

化合物名
1H-ペルフルオロオクタン
1H-ペルフルオロヘキサン
1H-ベルフルオロデカン
1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセン
(ペルフルオロ-n-オクチル)エタン
ペルフルオロオクチルヨージド
ペルフルオロウンデカヨージド

・PFOA関連物質(その他)

化合物名
ヘキサフルオロプロピレンオキシドニ量体酸(GenX)
1H,1H,2H,2H-ペルフルオロヘキサンスルホン酸(4:2FTS)
1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンスルホン酸(6:2FTS)
1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデカンスルホン酸(8:2FTS)
4,8-ジオキサ-3H-ペルフルオロノナン酸(ADONA)
9-クロロヘキサデカフルオロ-3-オキサノナン-1-スルホン酸(9CI-PF3ONS)
11-クロロエイコサフルロロ-3-オキサウンデカン-1-スルホン酸(11CI-FP3OUdS)

 

PFAS分析・調査の流れ

1)まずは弊社ホームページのお問い合わせ又はお電話にてご依頼内容をお知らせ下さい。必要に応じて金額のご提示および御見積書をご提出致します。

2)ご依頼者様で採取頂く場合は、必要に応じて瓶を準備致します。コンタミネーション防止の観点から特別に洗浄した瓶をご用意させて頂きます。
採取もあわせてご依頼頂く場合は、採取場所、採取日時などを事前に調整させて頂き、弊社社員が現地にお伺いして採取を実施します。

3)ご依頼内容に応じて弊社ラボにて分析試験を実施致します。分析方法のご指定などがあれば事前にご相談下さい。

4)分析完了後、お約束の納期期日までに結果をご報告致します。お急ぎの場合は報告書発行前にMailまたはFAXにて結果速報させて頂きます。

詳細はこちらにてご案内しておりますので、ご利用下さい。

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PFASの現状と規制状況

PFASは全世界で使用されてきたため、その環境への拡散は広範に及んでいます。製品の耐久性を高める目的で幅広く使われてきた結果、土壌、地下水、さらには海洋にまでPFASは検出されるようになりました。これらの物質は環境中で分解されにくい「永久化学物質」として分類されており、人体に蓄積することによる健康リスクも報告されています。特に、発がん性、生殖毒性、発達障害、免疫系への影響などが研究により懸念されています。

このため、多くの国々ではPFASに関する規制が導入されているか、検討されています。例えば、欧州連合(EU)では特定のPFASについて使用禁止措置が取られており、水質基準の設定に向けた動きもあります。米国環境保護庁(EPA)もPFASアクションプランを発表し、飲料水におけるPFASの規制値の設定や、PFASを含む製品の製造と使用の規制を強化しています。日本においても、水質基準値の設定や、食品中のPFAS濃度の監視が行われるなど、国内規制の整備が進められています。

国内での規制状況

毒性が強く、難分解性、生物蓄積性、長距離移動性、人の健康又は環境への悪影響を有する化学物質の製造及び使用の廃絶・制限、排出の削減を規定している「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)において、PFOS、PFOA及びPFHxSは次表の通り規制されており、本条約の加盟国となっている日本では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)によって第一種特定化学物質に指定され、製造、輸入、使用が原則として禁止されています。

※2023年11月28日、環境省はPFHxSを製造や使用を原則禁止する物質に追加すると発表しました。この物質を使った製品は現在国内でつくられていませんが、2024年6月から海外からの輸入も原則禁止になります。
環境省報道発表資料:https://www.env.go.jp/press/press_02450.html

PFOS PFOA PFHxS
ストックホルム条約
(POPs条約)

2009年
附属書B

2019年
附属書A
2022年
附属書A
化学物質審査規制法
(化審法)
2010年
第一種特定化学物質
指定
2021年
第一種特定化学物質
指定
2024年以降
第一種特定化学物質
指定

附属書A…製造・使用、輸出入の原則禁止

附属害B…製造・使用、輸出入の制限

水質基準

2023年11月時点では水道水及び環境水において、PFOS及びPFOAの水質規制値が設定されており、また、PFHxSについては要検討項目または要調査項目に選定されています。

 

PFOS PFOA PFHxS
水道水 暫定目標値(合算値)
50ng/L
(2020年4月~)
要検討項目
(2021年4月~)
環境水 環境基準(要監視項目)
0.00005mg/L (50ng/L)
(2020年5月~)
要調査項目
(2021年3月~)

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