リケジョ File.2(松阪分析センター ラボGr 朗らかHさん)
ひとつひとつの分析に責任を感じて
~お客様との関係が自身の成長につながっています~
三重県で生まれ育ったHさん。自然が豊かな土地で育ったため、常に山の自然が隣にあったそう。小学生の頃、酸性雨や地球温暖化がクローズアップされ「このきれいな山や川を知らずに育つ子が出てくるのだろうか?」と考え出したことが環境問題に興味を持った原点。理科の実験で行った「廃油から作る石鹸」から環境技術に楽しさを覚え、環境を守る仕事に就きたいと名古屋の大学へ進学。大学では微生物学や分析化学を学び、微生物を用いた環境浄化技術の開発に携わっていたそうです。そんなHさんは入社3年目に突入!社内でも笑顔を絶やさず、様々なことに取り組んでくれています。
掲載日 2018年4月27日
松阪分析センター ラボGr
朗らかHさん
分析はお客様の生活や事業に直結
今行っている業務や研究について教えてください
Hさん : |
現在、私は、飲料水の採水と味・臭気試験、飲料水や河川、工場排水などの細菌試験とイオンクロマトグラフ(IC)を用いた分析を担当しています。 細菌試験では、飲料水中の一般細菌と大腸菌、冷却塔や公共温泉施設などで確認が必要となるレジオネラ菌、食品衛生法における大腸菌群、夏場に多い水浴場や河川における糞便性大腸菌群の検査も行っています。 |
飲料水分析でお客様が結果を気にされることが多いのは、細菌試験ですよね?
Hさん : |
そうですね。井戸水や簡易水道で不適となるケースでは、一般細菌や大腸菌が基準を超える原因が最も多いので、分析にはとても責任を感じます。一定の条件下で培養後にシャーレ上に形成された集落数をカウントして結果を出すのですが、一般細菌はどこにでも存在しているため、環境中の影響(コンタミ)が無い無菌条件下での操作が保証されているかどうかを、クリーンベンチ内に落下菌の有無で調べるためのブランク用シャーレおよび標準スタンプ培地も毎回用意し、精度を担保できるように試験を行っています。 飲料水の細菌試験は着手期限が決められているので、採取当日に分析を開始する必要があります。検体が多い日は正直大変なんです(笑)でも、松阪分析センターでは飲料水の依頼受付でお客様とお会いすることも多いので、お話をしていると自分たちの分析結果がお客様の生活や事業に直結しているとわかり、日々業務の重要性を実感しています。 |
分析機器の調子が悪いと凹みます
仕事をしていて楽しいことと辛いことは何ですか?
Hさん : |
私が特に楽しいと感じるのは、飲料水の採水に検査員として出向く時です。その場合、公共施設の裏側に入り採水をさせて頂くので、普段では見ることのできない内部の仕組みや、水の流れを知ることができます。担当者様にも、どういった理由で分析を依頼し、気にかけていらっしゃるかお話して頂くことがあるので、毎回勉強になります。 辛いことは、分析機器の調子が悪い時ですね。納期もあるので胃が痛くなる思いで凹みます。以前IC(イオンクロマト)分析でピーク面積にばらつきが出て、QC※が入らなくなったことがありました。メーカーさんと一緒に修理にあたり、ポンプヘッドからの液漏れ、リビルドキットの変形を見つけ、いくつかの部品交換後QCを数回分析しピーク面積や形状に異変がないか確認した上で分析を再開することができました。こういったトラブルの時は、日頃から原因究明や対応方法、エラー発生前の事象など記録に残すことが重要だと先輩から教わりました。ICに限らず、次に同じエラーが起きないよう、またはエラーが発生しても最小限の対応で済むように、そして後輩の胃が痛くならないように(笑)知識を記録・公開していかなければと思っています。 ※既知量の分析対象物を添加した QC 試料の回収率の基準のこと。検体ロットの数に合わせて初め、途中、最後に挿入されることが多い。 |
最後に、日ごろ心がけていることがあれば教えてください
Hさん : | 大勢の仲間がいますので、職場が明るく、みんなが話しやすい雰囲気作りを心がけています。探究心はなくさず、常に「なぜ?」という視点で未知の世界に積極的に挑戦し続けたいなと思っています。 |